ロードバイクのタイヤって種類が多くて、何が違うのか分かりづらいですよね。
この記事ではタイヤを交換したいけど、どれを選ぶべきかわからないサイクリストの悩みを解消します。
ロードバイクでタイヤを変えると、乗り心地が大きく変化します。
もっとも走りが変わるパーツであるホイールと比べて、1/10程度の価格でアップグレードできるのがタイヤのいいところ。
この記事では、完成車から初めてタイヤを交換する初心者でも、ご自身に合ったものを選べるようにサポートしていきます。
- 巡航速度が上がる
- パンクの不安を軽減できる
- 軽量化により走り出しが楽になる
- ウェット路面でも滑りづらくなる
- コーナリングでの安心感が得られる
タイヤを交換すれば、サイクリング中の不安や不満を解消できるかもしれません。
まずタイヤ選びの際に、知っておくべき知識から解説していきます。
3つのタイヤのタイプを知る
ロードバイクのタイヤは、取り付け方によってタイプ分けされています。
それぞれに特徴も異なるので、理解しておくとタイヤ選びがスムーズです。
クリンチャー:初心者でも扱いやすい基本構造

完成車のほとんどに使われて、もっとも普及しているのが「クリンチャータイヤ」です。
タイヤの内側にチューブを入れて、空気圧によってホイールに固定します。
初心者でも着脱しやすく、パンクしても修理しやすいのが大きなメリット。
また、クリンチャーに対応したホイールは種類が豊富で、比較的安価なのも魅力の1つです。
デメリットは、ほかのタイプよりも重量があり、リム打ちパンクが起こりやすいこと。
とはいえ、もっとも普及していて交換用のパーツが購入しやすく、扱いやすいタイヤであることは間違いありません。
コスパと運用のしやすさを重視する人におすすめのタイプです。
段差を乗り越えるとき、ホイールと段差の角によって、チューブが強く圧迫される衝撃で起こるパンクです。
タイヤが細く、高速で走るロードバイクは、よくパンクします。
そのなかでも、もっとも発生しやすいのがリム打ちパンクなのです。
チューブレス/チューブレスレディ:パンクしづらくロングライド向け
最近シェアを広げているのが、チューブレスタイヤです。
インナーチューブがなく、密閉構造のある専用ホイールに接着して、空気圧を維持します。
チューブがないのでリム打ちパンクしにくいうえ、クリンチャーと比べて走行抵抗が少なく、乗り心地に優れているのが魅力です。
低い空気圧でも走行できて、高いグリップ力も発揮してくれますよ。
一方、デメリットとして空気抜けが早い、着脱が難しい、専用ホイールは価格が高いといった点が挙げられます。
普段使いも含めて走行性能を高めたい、パンクリスクを減らして、乗り心地を良くしたい人にはおすすめのタイプです。
チューブラー:レース向けのハイパフォーマンスタイヤ
タイヤとチューブが一体の円筒状で、接着剤やリムテープでホイールに貼り付けるタイプ。
軽さに優れ、パンクのリスクも低いため、競技用として使用されることが多いです。
しかし、パンクしたら大変。交換にはかなりの手間がかかります。
多くの場合、プロショップに交換してもらうことになるでしょう。
それゆえロングライドでは扱いづらいのですが、ロードレースの使用に特化して検討中の方には、おすすめのタイプです。
タイヤの選び方
さてタイヤのタイプによる特徴の違いは、ご理解いただけましたか?
ここからはタイヤを選ぶとき、知っておいたほうが良い、タイヤの選び方をお伝えします。
タイヤのサイズと太さ

ロードバイクのタイヤのサイズは、「700✕25C」のように表記されます。
700はタイヤの外周とリム(タイヤをはめ込む部分)の大きさで、25Cは太さのことです。
細いほど軽量で、太くなるほど安定感が増していきます。
今は25Cがスタンダードなサイズで、レースでもたくさんのサイクリストが選択するようです。

タイヤサイズによる特徴は以下のとおりです。
- 【23C】幅が細く軽量。ヒルクライムで大活躍
-
細いぶん軽量で、ヒルクライムなどで重宝されます。
軽量である反面、耐久性や安定性で劣るため、普段使いではおすすめできません。
- 【25C】ロングライドからレースまで、バランスに優れた万能タイプ
-
現在、レースでも主流となっているタイヤ幅です。
安定性や耐久性、グリップ力、重量のバランスが良く、多くのライダーにとって最適な太さ。
軽さこそ23Cに劣りますが、ヒルクライムが苦になるレベルではありません。
普段使いやロングライド、レースでも安定した走りを求めるなら、25Cがおすすめです。
- 【28C】オフロードも行ける、走破性に優れるタイプ。
-
ちょっとした段差なら、難なく乗り越える走破性、安定感が魅力のタイヤです。
タイヤ幅が広いぶん、重量と転がり抵抗が上がることは否めません。
それでも、ロングライドから街乗りをメインとするサイクリストにおすすめです。
【太めのタイヤ軽さと安定感はトレードオフ】
タイヤが太いと衝撃吸収性が上がって、乗り心地が良くなります。
また、接地面積が大きい分、安定感も抜群です。
軽快さと安定感を、どのレベルで求めるかによって、あなたに最適なタイヤ幅は変わります。
シチュエーションに合うタイヤ

最適なタイヤを選ぶには、あなた自身「タイヤに何を求めるか」がポイントです。
通勤ライド:耐久性や耐パンク性
ロードレース:グリップ性能
ヒルクライムレース:重量の軽さ
タイムトライアル:転がり抵抗の少なさ
このように、シチュエーションによって重視すべき性能も変わります。
自分の走り方を明確にして、それに合った最適なタイヤを各メーカー・モデルから選びましょう。
トレッドパターン

ロードバイクのタイヤ、まじまじと見比べたことはありますか?
よく見ると、刻まれている柄の溝、トレッドパターンが違います。
トレッドパターンにはメーカーの特色が出て、タイヤの顔ともいえますね。
柄によって適した場面があるので、覚えておきましょう。
トレッド(溝)が深いタイヤはグリップ力に優れ、ウェット路面のカーブでも安定感があります。
ドライ路面なら、トレッドがなく転がり抵抗が少ないタイヤが合うでしょう。
一般的には、溝が少ないタイプが使われます。
もし、整備されていない道やダートを走る場合は凹凸の多い、セミブロックタイプだと安心です。
自分の走るであろう道を想定して、適したトレッドパターンを選びしましょう。
耐久性や耐パンク性の高さをチェック

タイヤのパンク性能は、トレッドゴム(接地面のゴム)の下に、耐パンク層を配置するなどして高められます。
耐パンク性が高いタイヤだと、サイドウォールまで耐パンク層を巡らせる場合も。
また、トレッドゴムが厚くなればタイヤの耐久性は上がります。
一方、タイヤが分厚いので、重量は総じて重くなってしまいますね。
軽量モデルは耐パンク層を、最低限まで減らす。
あるいは一切なくしてしまって、重量をカットするケースもあります。
軽さと耐久性・耐パンク性はトレード・オフの関係で、両立は不可能です。
普段使いなら耐久性を重視し、レースの時には決戦用の軽量タイヤを履く。
このような使い分けをしていきましょう。
バイクに合ったカラー

タイヤといえば黒色のイメージですが、実はカラーバリエーションがあります。
ロードバイクのデザインと合わせてコーディネートすれば、愛着が湧いてくること間違いなしです。
タイヤのカラーは最優先する要素ではありませんが、ロードバイクの楽しみ方の1つとして知っておくといいですよ。
おすすめクリンチャータイヤ5選
まずはクリンチャータイヤからご紹介。
コンチネンタル『Grand Prix 5000S』

全てのタイヤタイプでオススメしたい最高品質の1本
今もっともサイクリストからの支持を集める、コンチネンタルの最新モデルです。
先代モデルのグランプリ4000/4000Sから転がり抵抗を減らし、グリップ力を高め、軽量化を実現しました。さらに、耐パンク性能も進化を遂げています。
ハイスピードでのコーナリングや、ウェット路面におけるグリップも安心感があり、レースでも間違いのない性能を発揮するでしょう。
ミシュラン『POWER ROAD』

ひたすらトータルバランスを求めた完成形
転がりやすさ、グリップ力のバランスが良く、摩耗に強い素材を採用して、高い耐久性も実現しました。
柔らかい乗り味で、振動や衝撃が体に伝わりづらいく、長距離のサイクリングでも疲れにくいのが特徴です。
快適にサイクリングを楽しみたい初心者におすすめですね。

パナレーサー『Race A Evo4』

メイドインジャパンの新技術で優れたオールラウンド性能を発揮
日本ブランドの自転車タイヤメーカー・パナレーサーのロード用レーシングタイヤ「レーシングシリーズ」です。
中でも「Race A」はレースやロングライドに対応する、上級者向けのオールラウンドタイプ。
EVO4では新コンパウンド「ZSGアドバンスコンパウンド」を採用することで、転がり抵抗を10%減らし、グリップ力を20%向上させました。なにより耐パンク性能にも優れています。
耐パンク性を追求しながらも、25Cで230gの軽さを実現しています。
グリップ力に優れ、悪天候でも高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
シュワルベ『Durano DD』

トレッド面、サイドウォールまで完全防御
ダブルディフェンス(DD)の名の通り、タイヤ全体をガードする機能がふんだんに使われており、パンクに対する安心感がとても高いのが魅力。
トレッドの下にレースガード、サイドウォールにプロテクション素材・スネークスキンを搭載しています。
シュワルベのロングライド向けモデルであるデュラノシリーズの中で、特に耐パンク性能を強化したモデルです。
さらに、これから勢力を拡大することが予想される、E-ロードバイクにも対応しています。
ヴィットリア『Rubino Pro』

長く使えるからコスパが良い高性能タイヤ
根強いファンを持つタイヤメーカーのVittoria。
なかでもRBINO PROシリーズは、どのタイプを選択しても、高いトータルバランスを実感できます。
程よい軽さと転がり抵抗がありつつ、耐久性・耐パンク性に優れるモデルです。
街乗りやサイクリング、トレーニング用として最適です。
おすすめチューブレスタイヤ3選
ロングライドに適したチューブレスタイヤ。
なかでも、トータルバランスに優れた製品を3本、紹介していきます。
ピレリ『Cinturato VELO TLR』

独自の技術で雨天でも安心のグリップ力
水を受け流すようなトレッドデザインは、雨などのウェットなシチュエーションでも、高いグリップ力と快適な走りをもたらします。
ピレリが考えた「SmartNET Silica」という、最先端のコンパウンド技術が詰まっているのも、この商品の魅力ですね。
トレッドが厚く設計されているので、ロングライドにもしっかりと対応できます。
ヴィットリア『コルサ G2.0』

サイドの高いグリップ力で安心のコーナリング
Vittoriaのトップグレードに位置し、独自のコンパウンド素材「グラフェン2.0」を採用したモデルです。
転がり抵抗の低さ、サイドのグリップ力に優れ、平地巡航と高速域でのコーナリングで高いパフォーマンスを発揮します。
ダウンヒルでの安心感、平地の高速巡航を求める人におすすめしたいタイヤです。
シュワルベ『Pro One Evo』

チューブレスの良さを存分に味わえる性能
パンクやサイドカットに対する性能に優れ、長時間のライドを安心して走ることができます。
程々の軽さとグリップ力ながら、値段も抑えられているので、初めてチューブレスを試してみたい人にもおすすめです。
おすすめチューブラータイヤ2選
レースを見据えるサイクリストに、選ばれることが多いチューブラータイプ。
そのなかでも、絶対的なパフォーマンスを誇る2本に厳選して紹介します。
コンチネンタル『Competition (コンペティション)』

プロレベルの性能とグリップ力を持つハイエンドチューブラー
すべての性能がハイレベルで、プロチームでも使用されることが多いモデルです。
転がり抵抗を軽減させながら、雨天でも優れたグリップ力を発揮する「ブラックチリ」コンパウンドはコンチネンタルの技術の結集といえます。
高度なパンク防止機能も採用され、走りにひたらすら集中できますね。
軽さ、グリップ力、耐パンク性の最高レベルを味わってみたいサイクリストに、全力でおすすめしたいモデルです。
ヴィットリア『Pista G2.0』

絶対勝ちたいレースのための最軽量タイヤ
耐久性を捨てて、本当に結果を出したいレースのためだけに履くタイヤといえます。
重量はわずかに140g(公式より)で、軽さがウリのチューブラーの中でも、その軽さは軍を抜いています。
価格を気にせず、ひたすらに速く走れるタイヤを探している人へ、届けたい1本です。

ロードバイク用タイヤに関するQ&A
- パンクを防ぐ走り方は?
-
道路の端を走らないこと、段差を避けるor段差では一瞬体を浮かせる。
道路端には雨で流されたゴミが溜まり、尖ったものを踏んでしまう可能性が高いです。
また、リム打ちパンクは段差を超える時に起こります。その瞬間に上から負荷を減らして、予防しましょう。
- タイヤの寿命や交換タイミングは?
-
タイヤのタイプに関わらず、ほとんどのメーカー公表値では約1年、3000~5000㎞が交換の基準とされています。
タイヤを交換した日付、交換してからの走行距離を把握しておけば、タイミングが分かりやすいですね。
しかし、この基準はライダーの乗り方による差が大きく、1つの目安として考えましょう。
消耗の具合は凹凸の多い路面、高温下での走行、体重、トルクのかけ方などに影響を受けます。
また、前輪よりも後輪のほうが早くすり減りやすい特徴も知っておきましょう。
タイヤのセンター部分が平らになっていたり、ヒビ割れがあったら、交換したほうが良いです。
もしもダウンヒル中にバースト(タイヤの破裂)でもしたら、大ケガに繋がります。
走り終わりなどにタイヤをぐるっと見渡す癖をつけて、交換時期を見極めていきましょう。
- 自分のタイヤのサイズはどこでわかる?
-
タイヤ側面に記載があることが多いです。
「700✕25C」「622✕23C」のような表記を探してみてください。
タイヤの寿命や交換タイミングは?
タイヤのタイプに関わらず、ほとんどのメーカー公表値では約1年、3000~5000㎞が交換の基準とされています。
タイヤを交換した日付、交換してからの走行距離を把握しておけば、タイミングが分かりやすいですね。
しかし、この基準はライダーの乗り方による差が大きく、1つの目安として考えましょう。
消耗の具合は凹凸の多い路面、高温下での走行、体重、トルクのかけ方などに影響を受けます。
また、前輪よりも後輪のほうが早くすり減りやすい特徴も知っておきましょう。
タイヤのセンター部分が平らになっていたり、ヒビ割れがあったら、交換したほうが良いです。
もしもダウンヒル中にバースト(タイヤの破裂)でもしたら、大ケガに繋がります。
走り終わりなどにタイヤをぐるっと見渡す癖をつけて、交換時期を見極めていきましょう。
自分に合ったタイヤでサイクリングを快適に!
タイヤの選び方や様々なシチュエーションに合う、おすすめのタイヤを紹介してきました。
内容をまとめると以下のとおりです。
- タイヤにはクリンチャー、チューブレス、チューブラーの3つがある
- クリンチャー:パンク修理などの扱いが比較的簡単で、初心者にもおすすめ
- チューブレス:耐パンク性が高く、ロングライドメインの方におすすめ
- チューブラー:軽量さと耐パンク性が高いが、扱いが難しい。レース用のタイヤに相性がいい
- タイヤ選びで注意すべき点
- サイズと太さ:軽さと安定感に大きく影響する
- 走るシチュエーションに強いタイヤを選ぶ
- 耐パンク性・耐久性の違いも頭に入れておこう
- トレッドパターンの違い:メーカーごとに特色が出る。トレッド(溝)が深いとウェット路面に強い
- カラー:バイクとのトータルコーディネートを楽しもう。最優先事項じゃないのは注意
- タイプ別、おすすめタイヤの紹介
タイヤ交換は新しい靴を履くかのようなワクワク感も味わえます。
消耗品ですが、走りを大きく変えるパーツだけに、コスパがいいです。
高いものを勧めるのは気がひけるのですが、1度はその良さを実感していただければと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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