ロードバイクでホイールを交換すると、走りが大きく変わります。
でも、ホイールは種類が多すぎるし、価格も幅広いので、どれが自分に最適なのか分かりづらいですよね。
この記事では、完成車からホイールを交換しようとする方が、ご自身に合ったホイールを選べるようサポートします。
- ホイール選びのポイント
- 予算別のおすすめホイール
自分が求める走りに適したホイールを選ぶことができれば、ロードバイクに乗るのがより一層楽しくなります。
一緒に最高のホイールを探していきましょう。
※この記事で紹介しているホイールの価格は投稿日の参考価格です。
ホイールの選び方

ロードバイクにおいてホイールは、車体の重量や走行性能に大きく影響するパーツです。
ホイールの構造による走りの違いを知っておけば、自分に合った最高のホイールを選ぶ事ができます。
2種類のリム素材の違い
ホイールの素材の違いとは、「リム」の素材を指しています。
ロードバイクホイールのリム素材は、「アルミ」か「カーボン」の2種類です。
コストを抑えられるアルミ
アルミホイールは現状、最も普及していて、安い価格で提供されます。
カーボンと比べると重量はありますが、耐久性に優れてビギナーでも扱いやすいのが特徴です。
アルミリムは普段使いからトレーニング、ある程度のレースにも使えます。
価格も幅広く、エントリークラスからハイエンドクラスまでラインナップされています。
最高の性能を求めないのであれば、手頃な価格でアップグレードできるのが魅力ですね。
軽さに優れるカーボン
ホイールは軽量なほど、スピードに乗るのが早くなります。
軽さと高い剛性の面では、カーボンリムが優れているのは間違いありません。
一方でカーボンは外傷に弱く、価格も高くなりやすいです。
また、摩擦熱や衝撃に弱く、専用のブレーキシューを使うか、ディスクモデルにする必要があります。
高価格であっても、より走りを速く楽にしたい人や、ロードレースで結果を残したい人向けの素材ですね。
- 価格が安い
- 耐久性が高い
- バリエーションが多い
- カーボンより重い
- 軽い
- 剛性が高い
- 価格が高い
- 外部からの衝撃に弱い
リムハイトで『得意分野』が変わる
ホイールを横から見た時の、リムの厚みをリム高(リムハイト)といいます。
リムが低いほど漕ぎ出しが軽く、加速やヒルクライムが楽です。
一方、リムが高いほど空気抵抗を減らすことができて、一定のスピードを維持しやすく、巡航速度がアップします。
呼び名 | リム高 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|---|
ローハイト | ~35mm | 軽量 | ヒルクライム |
ミドルハイト | ~50mm | バランス◎ | オールラウンド |
ディープリム | 50mm~ | 空力性能が高い カッコいい | ロングライド TTレース |
ディープリムのホイールはほとんど、カーボン素材が採用されているため、値段が高いのが難点です。
しかし、空力性能が高く見た目もカッコいいことから、ツーリングやロングライドの用途でも高い人気を誇ります。
リム幅も注意
『リム幅』とは、自転車を正面から見た時のホイールの幅です。
ロードバイクでは主に17Cのワイドリムと、15Cのナローリムの2種類があります。
それぞれ装着できるタイヤの幅が異なることは、頭に入れておきましょう。
- ナローリム(15C):23~32C
- ワイドリム(17C):25~50C
近年ではワイドリムの人気が高まっていますね。
安定性が高く、滑りにくい太めのタイヤのニーズが高まっているからです。
主流になっている25Cタイヤも、ワイドリムのほうがマッチすると謳っているホイールメーカーが多いです。
特にこだわりが無ければ、ワイドリム(17C)で間違いありません。
3種類のタイヤの特徴
ロードバイクのホイールにはタイヤの種類に合わせて、クリンチャー用、チューブレス用、チューブラー用の3種類があります。
ホイールごとに取り付けできるタイヤが決まっているので
- 使いたいタイヤの種類に合わせてホイールを選ぶ
- ホイールに合うタイヤに交換する
どちらかで対応しましょう。
クリンチャータイヤ
タイヤとリムの間にチューブが入っている、もっとも一般的なタイヤです。
ママチャリやクロスバイク、完成車のロードバイクに使われます。
修理や交換が簡単なので、初心者向きと言えるでしょう。
ストイックに走行性能を求めないのであれば、初めてのホイール選択におすすめのタイプです。
- 低価格
- パンク修理がしやすい
- ほかの2種類と比べて重い
- リム打ちパンクの可能性が高い
チューブラータイヤ
チューブとタイヤが一体となって、リムセメントやリムテープで、ホイールに貼り付けるタイプのタイヤです。
リム打ちパンクのリスクが低く、カーボン素材を使った高い走行性能が人気で、レースの世界では主流になっています。
- 軽い
- リム打ちパンクしづらい
- 高速で走っても安定感がある
- パンクすると自分では修理が難しい
チューブレスタイヤ
チューブを使用せず、空気圧だけでタイヤをリムに固定するタイプです。
リム打ちパンクが起こらないのが、とても大きな強み。
ロングライドがメインの方におすすめですね。
- チューブが無いので軽い
- 空気圧を下げても乗り心地がいい
- リム打ちパンクの心配をしなくていい
- 交換がとても大変
- 種類が少なく高価格
知名度が上がっている「チューブレスレディ」とは?
チューブレスタイヤの派生として、徐々に知名度が上がっているのがチューブレスレディです。
シートラントなどのパンク防止剤が、チューブレスタイヤの内側に塗布されています。
このパンク防止剤が小さな空気穴をふさいでくれるので、釘を踏んでもライドを続行できますね。
プロロードレーサーの世界では、新しく主流になりつつあるタイヤです。
フレームが対応しているブレーキの種類を確認
ロードバイクには「リムブレーキ」と「ディスクブレーキ」の2種類があり、それに合ったホイールを使用します。
ご自身のフレームが対応している方を選びましょう。
近年では、かなりディスクブレーキ対応のフレームがシェアを広げています。
それでも、エントリーモデルに多く採用されるのはリムブレーキですね。
アクスルタイプにも注意!
アクスルとはホイールの軸の部分のことで、「スルーアクスル」と「クイックリリース」があります。
こちらも、フレームごとに対応するホイールが決まっているので、そちらもチェックしましょう。
【予算10万円以下】エントリーグレードホイール4選
最初のホイール交換で、手が出しやすい10万円以下のおすすめホイールです。
FULCRUM(フルクラム)/Racing3(63,500円)
オールラウンドな性能と、高い耐久性を誇るアルミホイール。
ハイエンドモデルに比べて剛性は控えめで、快適な乗り心地に仕上がっています。
ロングライドからレースまで、幅広い活躍が期待できるホイールと言えるでしょう。
Campagnolo(カンパニョーロ)/SCIROCCO 17C(42,600円)
低価格ながら、平地での高速走行からヒルクライムもこなせる、オールラウンドなホイール。
35mmのリムハイトと、Campagnolo特有の3Gスポークの恩恵を受け、エアロ効果と快適性を持ち合わせています。

■素材:アルミ
■タイヤ:クリンチャー
■リムハイト:35mm
■重量:1955g(前後セット)
Campagnolo(カンパニョーロ)/ZONDA C17(55,600円)
重量や剛性、走行安定性などのバランスが良く、圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
初めてのホイール交換として、ド定番のモデルです。
たくさんのプロ選手がトレーニングで使用しているのも、信頼がおけるポイントですね。
耐久性も優れており、ロングライドがメインのサイクリストにとって、最高の選択になることは間違いありません。

■素材:アルミ
■タイヤ:クリンチャー
■リムハイト:フロント24mm/リア27mm
■重量:1596g(前後セット)
SHIMANO(シマノ)/WH-RS500(49,000円)
人気だったWH-6800の後継モデルで、スリムな形状でバランスの取れたホイールです。
国産ならではの安定感、メンテナンス性の高さは初心者でも安心ですね。
■素材:アルミ
■タイヤ:クリンチャー
■リムハイト:24mm
■重量:1649g(前後セット)
【予算15万円以下】ミドルグレードホイール3選
せっかくホイールを交換するなら、大きな性能アップを感じたい。
そんなサイクリストにとって最適解となりえる、ミドルグレードのホイールをお伝えします。
FULCRUM(フルクラム)/Racing Zero 17C(124,868円)
こちらはハイエンドアルミホイールのド定番。
何といっても軽さと高い剛性が武器で、ヒルクライムやストップ&ゴーの多いコースで、最大限に力を発揮してくれます。
ハブに採用されるセラミックUSBは回転性能に優れ、平地の巡航でも十分なパフォーマンスをしてくれるでしょう。

■素材:アルミ
■タイヤ:クリンチャー/チューブレスレディ
■リムハイト:フロント27mm/リア30mm
■重量:1490g(前後セット)
SHIMANO(シマノ)/WH-RS700-C30(110,400円)
アルミのリムにカーボンラミネートが施され、振動減衰性能に優れるSHIMANOのミドルグレードホイールです。
クリンチャーとチューブレスに対応できるので、お好みでタイヤの種類を変えることもできますよ。
■素材:アルミ&カーボンラミネート
■タイヤ:クリンチャー/チューブレス
■リムハイト:フロント24mm/リア30mm
■重量:フロント616g/リア924g
Campagnolo(カンパニョーロ)/SHAMAL ULTRA 17C(120,000円)
カンパニョーロが誇る、高剛性で軽量な最上位アルミホイールです。
滑らかな回転性能を持つ「USBセラミックボール」を採用し、巡航速度を維持しやすくなっています。
また、前後にカーボン製のハブが使われおり、より軽量に仕上げられました。
ロングライドやヒルクライム、どっちにも安心して使えるホイールを探している方に、強くおすすめします。

■素材:アルミ
■タイヤ:クリンチャー
■リムハイト:フロント26mm/リア30mm
■重量:1470g(前後セット)
【予算15万円以上】ハイエンドグレードホイール2選
15万円以上ならば、フルカーボンのホイールも視野に入る価格帯です。
ロングライドやヒルクライム、レースでのさらなるパフォーマンスを求める人は、検討の余地がありますね。
FULCRUM(フルクラム)/Racing Zero Carbon(197,900円)
フルカーボンリムとアルミスポークが特徴的な、「Racing Zero」シリーズのトップモデル。
優れた軽量・高剛性による反応の良さは、レースを見据えるサイクリストのニーズを完全に満たしてくれます。
Campagnolo(カンパニョーロ)/BORA WTO45(219,300円)
『WTO』はWind Tunnel Optimized(風洞実験による最適化)の頭文字を取っています。
その名の通り、風洞実験で最高の空力性能を持たせるべくハブ・リム形状・スポークが設計されました。
リムハイト45mmでも1425gの軽さで、平地での強さはもちろん上り坂でも強いアドバンテージを取れるでしょう。
何よりスポークの3Gシステムが前後ともに採用されているので、見た目にも満足感をもたらしてくれますね。

■素材:カーボン
■タイヤ:クリンチャー/チューブレス
■リムハイト:45mm
■重量:1425g
自分に合ったホイールでもっと楽しくサイクリング!

初めてロードバイクのホイールを交換する方に、おすすめなものを紹介しました。
強化したいシチュエーションもイメージして、正しいホイール選びをしてくださいね。
この記事の内容をまとめると、以下のとおりです。
- 素材:重量、乗り心地に影響
- リム幅:走りの安定性を左右する
- リムハイト:重量、空力性能に影響し、見た目も大きく変わるが
- 装着できるタイヤを事前に知ろう
- 扱いやすいクリンチャー
- レース向けのチューブラー
- ロングライド向けのチューブレス
- 求める走りをはっきりさせよう!
ホイールは決して安くありません。
しかし、ロードバイクにおいて、効果を実感しやすいパーツです。
ご自身に合ったホイールを見つけ、もっとサイクリングを楽しむ手助けになれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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