ロードバイクで走るなら、ヘルメットをかぶるのは必須です。
ヘルメットって形・重量・メーカーがたくさんで、どれが良いのかわからない
せっかく被るならおしゃれに見えるヘルメットが良い!
そんな悩みを持つサイクリストに向けて、ヘルメットを選び方と、おしゃなヘルメットを紹介します。
初めてヘルメットを購入する方にも、役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてくださいね。
そもそもヘルメットは必要か?

まず自転車に乗るうえで、ヘルメット着用は義務付けられているのでしょうか?
答えは「NO」。
しかし、安全のためにヘルメットを着用にするよう、交通局が促しています。
警視庁もヘルメット着用をすすめている
警視庁は平成29年から令和3年まで、5年間の交通事故データを公表しています。(図1)

自転車事故で亡くなった人のうち、約6割が頭部に致命傷を負っています。
その中でも、ヘルメットを着用していなかった場合、致死率が約2.2倍も高かったようです。(図2)

このデータからも、「頭部を守る=命を守る」だといえますね。
スポーツバイクでは、シティサイクルよりも速度が上がる分、ケガが重症化することは容易に想像できます。
筆者の実体験
僕自身、ダウンヒルで原付きバイクと接触し、落車した経験があります。
その時、ヘルメットの側部に打ったあとが付いていました。

膝を骨折しましたが、頭部は無事だったのが不幸中の幸いです。
もし、ヘルメットを被っていなければ、頭を打って後遺症が残ったかもしれません。
この経験からも、スポーツバイクに乗る人には、命を守るためにも必ずヘルメットを付けてほしいです。
ヘルメットを選ぶときのポイント4つ

ロードバイクヘルメット選びのポイントは4つ。
それぞれ、順番に解説します。
正しいサイズのヘルメットを選ぼう
ヘルメット選びで1番大切なのが、サイズが合っていることです。
サイズが小さすぎると、締め付けによって痛みが出てしまいます。
逆に大きすぎると、走行中にズレが生じてストレスなるだけでなく、前から見た時にキノコ頭になって、とてもダサい見た目に。
そうならないためにも、サイズ選びで気をつけるべきポイントを、しっかり把握しておきましょう。
自分の頭の形にあうものを厳選しよう
日本人と欧米人では、そもそも頭の形が違います。

日本人の頭は真円形に近いです。(右側)
対して、欧米人の頭は楕円形で、側頭部がシュッとしています。(左側)
そこで、各メーカーはアジア人の頭にあったモデルを出してくれています。
もし欧米ブランドで購入したい場合は、アジアンフィット(AF)表記のあるモデルを選びましょう。
また、国内メーカーである『OGK Kabuto』ならば、日本人の頭に合いやすく、キノコ頭にもなりづらいです。
頭のサイズを計測してサイズを決めよう
サイズ選びは、店頭で試着をするのが一番です。
でも、なるべく安くヘルメットを購入するために、オンラインストアを利用したいですよね。
もしサイズに悩んだ時は、まずは自分の頭の周径を測りましょう。
経験からして、サイズが微妙なときはワンサイズ大きめがいいと思います。
ヘルメットにはアジャスターを締めることで、サイズを合わせる機能が備わっています。
もし大きすぎたら、キャップをかぶれば調整が可能です。
とはいえ、最初のヘルメットはサイズ選びが難しいです。
なので、やはり店頭で購入することをおすすめします。
快適さを重視しよう~軽さと通気性~
ヘルメットをかぶると重たいし、頭が蒸れるんじゃない?
この疑問を解消すべく、以下の2点に着目してヘルメットを選びましょう。
通気口がたくさんあると頭が蒸れない
夏場のサイクリングでは、やはり暑さが天敵です。
ヘルメットで頭が蒸れると、熱中症のリスクを高めてしまいます。
そこで重視すべきは、「ベンチレーション」といわれる通気口の数や配置です。
ベンチレーションの数が多ければ、風の取り込みが増えて、頭の蒸れを予防できます。
首や肩の負担を減らす軽量モデル

ロードバイクでは、大きく前傾した姿勢で走ります。
頭が前にせり出しているので、それを支える首や肩への負担が大きいです。
ハイエンドとエントリーモデルでも、重量差は100gほど。
しかし、長時間のサイクリングでは、その差はかなり大きいです。
普段から首・肩の疲れを感じやすい人は、軽量なモデルをおすすめします。
安全性に優れたモデルを選ぼう
デザインや快適性も大切ですが、「頭を守る」ことを無視しては本末転倒です。
では、安全性に優れたヘルメットかどうかは、何を見ればわかるのでしょうか?
迷ったら「JCFマーク」つき商品がおすすめ
ヘルメットの製品ページや、本体を見てみるとこのようなマークを目にすることがあると思います。

日本でロードバイクに乗るなら、「JCFマーク」がついていれば問題はありません。
これは日本自転車競技連盟が発行している、日本でのレース規則を満たしている証です。
JCFマークが付いていると「公認ヘルメット」と呼ばれます。
多くの安全基準をクリアしているので、普段づかいからレースまで、安心して使えますね。
安すぎるヘルメットには手を出さない
ネットでは、3,000円以下でもヘルメットを購入できます。
しかし、少なくともロードバイク用のヘルメットとしてはおすすめしません。
あまりにも安価なものは、安全基準を満たしていない可能性があります。
前述の「JCFマーク」と以外にも、公認ヘルメットを知っておくと良いです。
SG:一般財団法人製品安全協会の基準
CE:全EU加盟国の基準を満たすものにつけられるマーク
CPSC:米国消費者製品安全委員会
これらのマークがついていれば安全性は十分です。
価格を基準にするならば、どんなに安くても10,000円弱は必要と思ってください。
命を守るためですので、ここはケチらないでおきましょう。
自転車にも注目!目的と用途にぴったりのデザインを選ぼう
機能面で自分に合ったモデルを絞ったら、最後にデザインも重視していきましょう。
今ではロードバイクで被るヘルメットは、ファッションとしての役割も担っています。
自転車やウェアとの色味が合っていると、全体としてまとまった印象になって、おしゃれサイクリストの仲間入りです。
おしゃれな高性能ヘルメット13選
独断と偏見で、カッコいいヘルメットを厳選して紹介します。
いずれもヘルメットメーカーとしての実績があり、安全性には申し分のないものだけを選びました。
- ラインナップは2022年10月時点のものです
- 国産メーカーのカブト以外は円安の影響か、定価よりも高騰しているサイトが多数あります
- 海外メーカー購入の際はセールが多いWiggleを推奨
OGK KABUTO『VITT』
~コンパクトな見た目とシールド対応の機能性~



日本のヘルメットメーカーが「これからのスタンダードスタイル」と謳う、ミドルグレードのモデル。
国産だけあって、日本人にフィットしやすいヘルメットです。
最大の特徴は、シールドを磁石で装着できること。
これによってメガネの人でも、風や飛び石などから顔を守ることができます。
強力な磁石が使われているので、強風でもビクともしないのでご安心ください。
コンパクト設計で、シルエットが小さめなので、キノコ頭になりづらく初心者でも違和感なく使えます。
サイズ | S/M(55-58cm) L(59-60cm) XL/XXL(61-64cm) |
重量 | 245g(Mサイズ) |
カラー | 11色展開 |
OGK KABUTO『IZANAGI』
~東京オリンピックで勝つために作られたフラグシップモデル~



高温多湿な環境で、頭部を長時間、涼しく保てるように作れました。
頭部全体からヘルメットを浮かせるような設計で、空気の通りを良くしています。
また、後頭部のあるアジャスターは、つまみやすい大きなダイヤルで細かく調節が可能。
フィット感が最高レベルです。
高価格帯に位置するモデルですが、一度かぶれば、その価値は誰もが納得するはずです。
ぜひ1度、日本メーカーKABUTOが作った究極のヘルメットを、手にとってみてください。
サイズ | XS/S(54-56cm) S/M(55-58cm) L(59-60cm) XL/XXL(61-64cm) |
重量 | 225g(Mサイズ) |
カラー | 12色展開 |
OGK KABUTO『REZZA-2』
~手が届きやすい価格でメイドインジャパンを味わえる~



こちらも『VITT』同様、シールドが取り付けできるモデルです。
アジャスターには「XF-8アジャスター」が採用されています。
これが後頭部を包み込むような作りになっていて、ワンランク上の心地よいフィット感を実現。
価格を抑えながらも、欲しい機能を詰め込んだヘルメットですね。
サイズ | M/L(57-60cm) XL/XXL(61-64cm) |
重量 | 215g(Mサイズ) |
カラー | 11色展開 |
MET『TRENTA Mips』
~安全性を重視しながらツールでも結果を残す多面性あり~



いかにもヘルメットを販売していそうなメーカーの『MET』。
1987年にイタリアで創業して以来30年、サイクリストの安全を第一に考え、サイクルスポーツ用のヘルメットのみを作ってきました。
その中で『TRENTA』はツール優勝を果たしたUAEチームも愛用のフラグシップヘルメットです。
エアロダイナミクスとベンチレーションによって、快適なかぶり心地を実現しているオールラウンダー。
後頭部に斜め25度の角度で設けられたデフレクターが、積極的に排気を促して通気性が確保されます。
カラーも豊富に展開されており、シンプルながら美しい外観が魅力的ですね。
サイズ | S(52-56cm) M(56-58cm) L(58-61cm) |
重量 | 250g(Mサイズ) |
カラー | 6色展開 |
MET『RIVALE』
~造形美しいイタリアメーカーを低価格で味わう~



前モデルから改良された「MIPSテクノロジー」で、安全性が10%以上も向上されました。
事故の際は、頭部への衝撃を逃して、脳へのダメージを低減します。
また、新しいフィッティングシステムも採用され、容易な調整と優れたフィット感を実現。
大型化されたヘルメット前方のベンチレーションホールで、優れたエアフローを発揮します。
サングラスを指すスポット穴も改良され、カラーも6色展開。
安全性に重きをおきながら、スタイリッシュなヘルメットを選びたいライダーにおすすめです。
サイズ | S(52-56cm) M(56-58cm) L(58-61cm) |
重量 | 250g(Mサイズ) |
カラー | 6色展開 |
GIRO『Aether』
~最高の安全システムと涼しく快適な走りを提供するハイエンドヘルメット~

スピーディなサイクリングからレースに適した、GIROのハイエンドヘルメットです。
MIPS Sphericalテクノロジー採用で、高速走行中の転倒でも頭を保護できるよう、安全性に抜かりのない作りになっています。
もちろん、超軽量で通気性も最高レベルに仕上げられました。
大きめの11個のベンチレーションで効率的に頭皮全体に風を送り、過酷な暑さの中でも、頭を涼しく保つことができます。
Roc-Loc® 5 と呼ばれるGIRO独自のフィットシステムは、片手でも簡単に調整が可能なうえに、高いフィット感を提供。
ヘルメット着用による、ライド中のストレスを大きく軽減してくれます。
サイズ | S(52-56cm) M(56-58cm) L(58-61cm) |
重量 | 250g(Mサイズ) |
カラー | 6色展開 |
GIRO 『Synthe Ⅱ』
~ハイエンドよりも涼しくスタイリッシュな形状~



前述のRoc Loc® 5に「エアフィット」システムを追加し、さらに頭部の涼しさを求める方に向けたモデル。
流線型に仕上げられるGIROにあって、特にスリムだと感じる形状がなんとも言えずカッコいいです。
価格的にもミドルグレードに位置していますので、カッコよさ、安全性、高い通気性を求めるサイクリストに刺さるヘルメットだと思います。
サイズ | XS(47-51cm) S(51-55cm) M(55-59cm) L(59-63cm) XL(61-65cm) |
重量 | 250g(Mサイズ) |
カラー | 6色展開 |
GIRO『Agilis』
~低価格で高いフィット感を求めるサイクリストへ~



内部に32個の通気孔により、頭上で空気の流れを促進。
フィットシステムは上位グレードと同じものが採用され、万が一のクラッシュでもグラつかず、頭を保護してくれます。
低価格でGIROのヘルメット作りに対するこだわりを感じられる、コスパに優れたモデルです。
サイズ | XS(47-51cm) S(51-55cm) M(55-59cm) L(59-63cm) XL(61-65cm) |
重量 | 270g(Sサイズ) |
カラー | 5色展開 |
KASK『Protone ICON』
~世界のレースで実績を残す最高品質~

ツール・ド・フランスでも何度も勝利を収めている実績が示す通り、空力性・軽量性・通気性で非の打ち所がありません。
もちろん、安全性にも抜かりはなく、『WG11』という非常に高い国際安全基準をパスしています。
豊富な予算があり、見た目が好みであるなら、手放しにオススメしたい最高峰のヘルメットです。
あご紐がレザーストラップになっているのも高級感が溢れており、他のヘルメットとの差別化が見受けられます。
しかも、アジアンフィットモデルではないのに、日本人の頭にもフィットしやすい形状です。
実際に僕も使用しています。
頭頂部にベンチレーションが少ないのに、蒸れる感覚はありません。
効率的に頭部へ、空気が送られているのが実感できます。
サイズ | S(50-56cm) M(52-58cm) L(59-62cm) |
重量 | 230g(Mサイズ) |
カラー | 8色展開 |
KASK『Mojito3』
~上位の技術を踏襲して改良を重ねるロングセラー~

KASKのロングセラーで、どんどんその性能を進化させているモデルです。
Mojito3では上位グレードでも採用された安全機構のWG11が搭載され、保護レベルが大幅に向上。
スタイリッシュな見た目でキノコ頭にもならず、日本人の頭に合いやすいフィット感も健在です。
少し価格を抑ながら、KASKの技術を実感できるMojito3は、初心者にも強くおすすめ。
サイズ | S(50-56cm) M(52-58cm) L(59-62cm) |
重量 | 230g(Mサイズ) |
カラー | 6色展開 |
BELL『Sratus』
~美しい形状と頭部を守るスペシャリスト~



1954年に創業し、オートレーシング、モーターサイクル、サイクリングなどを手掛ける、総合ヘルメットブランド。
グランツールで駆け抜けるプロロードレーサーから、保育園への送り迎えをするママたちまで、全ての人たちの頭部を守ることを信念にしているようです。
中でも『Sratus』はMIPS採用で、特に強い衝撃からも頭部を守ってくれます。
さらに、18か所のベンチレーションにより、軽量・通気性は過不足ないレベルに仕上がっていますよ。
サイズ | S(52-56cm) M(55-59cm) L(58-62cm) XL(62-65cm) |
重量 | 275g(Mサイズ) |
カラー | 3色展開 |
ABUS『Abentor』
~山岳ステージが主戦場の涼しいヘルメット~



自転車用ロックで有名なアブスは、1924年創業のドイツメーカー。
『Aventor』は表面積の40%に、放熱性に優れた素材「アベント」が使われています。
ロードバイクチーム「モビスター」が山岳地帯で使用する、通気性を重視したオールラウンドモデルです。
大胆なエアホールが特徴的ですが、強固なシェルで補強されているので、優れた振動吸収性でライダーの頭部を保護します。
しかも、フィットシステム「ZOOM ACE」は後頭部をしっかりホールド。
ドイツブランドらしい、質実剛健なモデルですね。
サイズ | S(51-55cm) M(54-58cm) L(57-61cm) |
重量 | 260g(Mサイズ) |
カラー | ブラック、ホワイト |
POC『Ventral Air SPIN』
~唯一無二のスタイルでおしゃれを演出~



SPIN(Shearing Pad INside)はPOCが独自開発した安全システムで、斜めの姿勢で落車した際に受ける、脳への衝撃を抑えるためのものです。
空力性能を高めるため、冷却を損なう事が多いエアロヘルメット。
そんな中でVentral Air SPINは、正確に配置された吸気口と排気口でヘルメット内部を冷却しながら、乱気流を最小限に抑えるように設計されています。
まさに、暑い日の高速走行にふさわしいヘルメット。
丸っこい見た目は、他ブランドとの差別化をしつつ、おしゃれ好きなサイクリストにぜひ検討してほしいモデルです。
サイズ | S(50-56cm) M(52-59cm) L(56-61cm) |
重量 | 230g(Mサイズ) |
カラー | 7色展開 |
定価(税込み) | 30,800円 |
ヘルメットの正しいかぶり方

ヘルメットは以下の流れで、しっかりとフィットした状態でかぶりましょう。
- エッジラインが眉の上にある
- あご紐とアゴの間に指が1~2本ほどの隙間がある
- サイドのアジャストロックは耳下に分岐点が来ている
- ダイヤルを締めて動かなようにする
あご紐の長さを調節する
まずヘルメットは、エッジラインが眉の上にくる深さにかぶります。
次に、あご紐の長さを調節。
バックルを締めた状態で、アゴと紐の間に指1~2本入るぐらい、余裕がある長さがベストです。
このとき、もし耳の下でベルトを分けている部分が耳に干渉していれば、当たらないように調節しましょう。
アジャストロックを締めて微調整する
最後に、アジャスターのダイヤルを締めます。
締め終えたら1度、軽く頭を振ってみましょう。
このとき、ヘルメットがグラグラと動かなければフィッティングは完了です。
もし緩ければ、あご紐から調節し直してくださいね。
最後のアジャスターは走行中でも簡単に調節できるので、走行中にきついと感じたら、少し緩めても良いと思います。
おしゃれなヘルメットで安全なサイクリング!

ロードバイクにおいてヘルメットの必要性、選ぶ時のポイントを解説し、おすすめモデルを紹介しました。
内容をまとめると以下とのとおりです。
- 自転車事故死亡例では6割が頭部外傷。ヘルメットなしでは死亡率が2.2倍
- ヘルメット選びの4つのポイント
- サイズと頭の形に合うモデルを選ぶ
- 快適性のため通気性と重量に着目する
- 安全基準を満たした公認ヘルメットで選ぶ
- バイク、ウェアに合わせてデザインを決める
- おすすめヘルメット13選
- 正しくヘルメットを被るためのポイント
- エッジラインは眉の上
- あご紐の長さは、アゴとの距離が指1本ほどになるよう調整
- サイドベルトが耳下にあるかチェック
- アジャストロックで微調整し、グラつかないか確認
おしゃれなヘルメットなら、走るモチベーションが上がります。
ぜひ、お気に入りのヘルメットをみつけて、サイクリングを楽しみましょう!
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