ヒルクライムが苦しくてお困りではないですか?
ロードバイクの大きな魅力のひとつに、上り坂も速く・楽に登れるということがあります。
そんな姿に憧れてヒルクライムに挑戦するけど、いつもヘトヘトになって、到底楽しいと感じられない。
ロードバイクを乗り始めたとき、最初は僕もそんな気持ちでした。
でも愚直に坂道に挑戦し続け、体力がついてくると、だんだんヒルクライムの魅力が見えてきます。
今より楽に・速く坂道を登れるようになると、ヒルクライムの魅力を感じていただけるはずです。
その助けのひとつとなる、「ダンシング」の方法を本記事では解説していきます。
- この記事で解決できる悩み
- ヒルクライムを今より楽に・速くなりたい
- ダンシングがヒルクライムに良いって聞いたけど、コツが知りたい
- ダンシングって結局、立ち漕ぎでしょ?何が違うの?
このような悩み、疑問を持っている人の助けになります。
僕自身もヒルクライムが好きで、いつも登っている坂でベストタイムをどんどん更新しています。
ヒルクライムを望んでやらない人でも、ロングライドで避けられない坂で体力を温存できるようになるでしょう。
- 記事の構成
記事の前半ではダンシングがなぜ必要なのか。
後半では実際にダンシングを使うとき、意識すべきポイントについて解説しています。
ぜひ理解していただき、休むダンシングを身に着けて、ヒルクライムを楽しいものに変えていきましょう。
なぜダンシングを使うのか

上り坂で行うダンシングには、2つの目的があります。
1つは大きなパワーを発揮して、一気に坂を登るため。
そしてもう1つは脚を休めるためです。
これらについて、以下で詳しく解説します。
大きなパワーを出す
いつもの登坂でベストタイムを狙うとき、勝負をかけるために使います。
ママチャリで立ちこぎをするのは、このイメージに近いのではないでしょうか?
ハンドルをガッシリと持って、とにかくペダルを力強く踏み込み、大きなパワーを発揮するのが目的です。
一瞬の加速はすごいものの、長持ちしないのが難点。
特にロングライドでは、多用すべきではないでしょう。
脚を休ませる
ロードバイクでは上り坂でも、ほとんどの時間をシッティングで進みます。
しかし、シッティングで使える筋肉は限られており、うまく漕いだとしても一定の部分が疲れてきます。
そこでダンシングを使うことで、姿勢が変わり、使い続けていた筋肉を休められるのです。
- ダンシングは2種類ある
- ヒルクライム、ロングライドでは休むダンシングを身につけるべし
ではダンシングはいつ使うべきなのか。それについて以下で解説します。
ダンシングを使うタイミング

上り坂でダンシングを使うのは次のようなシーンです。
- 斜度が上がり、シッティングではペダルが回らない
- 斜度は変わらないけど、脚が疲れ攣りそうになる
そういった時に、ダンシングを取り入れてみましょう。
激坂区間にて
勾配が目まぐるしく変化する長い上り坂。
激坂の定義は人によって変わると思いますが、斜度が10%を超えたら、僕にとってはシッティングでは苦しい激坂です。
斜度がキツいとペダルが重く、疲れも相まってシッティングじゃ脚が回りません。
とにかく脚が同じ調子で回らないと感じたら、ダンシングの使いどきです。
ヘアピンカーブも斜度が上がりやすいので、カーブ区間を超えるためにダンシングするのもいいでしょう。
脚が疲労困憊になる前に
上り坂ではひとたび脚を止めたら、自転車は止まってしまうので、脚を休むことが許されません。
したがって常にパワーを発揮し続ける必要がありますが、脚はどんどん疲労していきます。
特に上りに慣れてないうちは、太ももの前面が攣りそうになってきませんか?
脚が攣ってしまうと、痛みでパワーが出なくります。
体重を使ったダンシングができれば、使う筋肉が変わり、少しの間だけでも攣りそうになった筋肉が休憩できます。
ダンシングのコツ ①重心は高くキープする

シッティングからダンシングに移ると、重心は高くなります。
ダンシング中は、重心が高い状態を維持するように心がけましょう。
でも、そもそも自転車に乗ってるとき、どこに重心があるのか?
そんな疑問も解決しながら、重心を高く維持することの重要性を解説します。
体の重心ってどこ?
ヒトが真っ直ぐ立っているときの重心は、おへそから約2-3センチ下、お腹と背中のちょうど真ん中で骨盤内部にあると言われています。
しかし大きく前傾姿勢になるロードバイクでは、話は変わります。
上半身の重みが前へ移る分、重心も前に動くのです。

つまりロードバイクへの乗車中、重心はみぞおちの少し下にあると想像してください。
これを適宜コントロールすることが、スムーズなペダリングに繋がります。
エネルギーのムダ遣いをしない
ダンシングの悪い例としてよく挙げられるのが、体が上下に大きくバウンドするような漕ぎ方。
体の重さを持ち上げるときにかかる負荷は大きいです。
ダンシングで筋肉を休めるつもりが、かえって体力を消耗しています。
重心が下がってしまう原因は、ペダルを下死点(6時の方向)まで踏んでいる場合が多いです。
ペダルが真下になるまで踏んでも、クランクが回転する力になってくれません。
その分のパワーを無駄遣いしているうえに、重心をまた持ち上げるパワーも必要になるので、下死点まで踏まないように心がけてみましょう。
ダンシングのコツ ②バイクを左右に振る

レースでダンシングをするプロの姿や、ロードレースを舞台にした漫画「弱虫ペダル」で、バイクを左右に振っているのを見たことはありませんか?
バイクを左右にふることにも、力学的に意味がありますので、以下で解説していきます。
重心を使う重要性
先程は重心を高く維持すべきだと解説しました。
もうひとつ重要なのが、左右それぞれペダルの上に重心を乗せる意識。
体の重みをペダルが回る力に伝えるために、重心をペダル上に持っていくことが大切です。
そのとき自分の体を左右に動かすのはバランスが悪くなり、パワーもムダ遣いします。
自分の体は大きく動かさず、バイクの方を動かして、重心の下にペダルを持ってくるのがパワー効率が良いです。
1~3時のペダル位置で体重を乗せる
ペダルに重心を乗せる重要性を解説してきました。
あとは体を動かすタイミングをつかむことができれば、ダンシングは8割できたも同然です。
タイミングはペダルが上死点(横から見て12時の位置)を超えたあと、12~3時の位置でバイクを反対方向に振ります。
そうすることで、必要なタイミングで重心がペダル上に乗るので、体重をペダルを回す力に変えられます。
ダンシングのコツ ③ギアは2枚重くする

ダンシングをする際にギアを重くするかどうかは、正直ケース・バイ・ケースです。
勾配が大きく変わっていないけど、休むためのダンシングをするならば、ギアは1~2枚重くするのがおすすめ。
うまくダンシングができてくると、ケイデンスが思ってるよりも上がってしまい、パワーをムダ遣いしている場合もあります。
しかし、激坂でペダルが回せないケースでは重くする余裕なんてないでしょう。
余裕がある時のダンシングでは、ギアを重くするぐらいに覚えておいてください。
ケイデンスは一定に保つべし
ヒルクライムを楽に・速くなるコツとして大切なのが、ペースを一定に保つことです。
一番良いのはパワーメーターで、出力が一定であるか確認できるといいですが、高価ゆえに初心者では付けていない人がほとんどだと思います。
(かくいう僕自身、パワーメーターは未装着です)
一方でケイデンスセンサーは比較的安価で付けやすいので、まず初心者の方が自転車のアップグレードに選ぶのにおすすめです。
ケイデンスが速くなったり、遅くなったりを繰り返すと、インターバルトレーニングのように心拍数を大きく上がります。
そのためペダルが重くて回せなくなったら、ケイデンスを維持するべくダンシングを使うのが有効です。
ダンシングのコツ ④ハンドルを軽く握る

休むダンシングでは、ハンドルを強く握ってしまうのはNG。
バランスを崩さない程度に軽く握って、ハンドルにムダにパワーが逃げないように意識しましょう。
ハンドルに力が逃げるのはもったいない
ダンシングに限ったことではありませんが、楽に・速く走るためには、体重やパワーをペダルに効率良く乗せるかが大切。
自転車はハンドル・サドル・ペダルの3点で体が支えられています。
ペダル以外に体重を乗せても、前に進む力にはなってくれません。
特にダンシングの際はバイクを左右に振る関係で、ハンドルを強く握ってしまいがち。
ハンドルは卵でも握っているかのように、優しく持ちましょう。
まとめ
ヒルクライムを楽にするための休むダンシングについて解説してきました。
この記事の要点をまとめると以下の通り。
- ハンドルは軽く握る
- クランクが12時~3時の位置で重心の乗せる
- ダンシングを使うのは疲れきる前or急勾配でケイデンスが下がるとき
ダンシングはスキルのひとつです。
コツを頭に置きながら、何度も実践することで上達します。
実際に坂道に挑戦しまくって、ぜひ習得していただければ嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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