運動でダイエットをすることを決意。
でも、「どの運動が効率よく体重を減らせるの?」
そんな疑問を持つ人に向けて、サイクリングがダイエットにとっても効果的である理由をお伝えします。
有酸素運動であるサイクリングは、とてもダイエットに向いています。
最近運動をしてなくて、どんどん体重が増えてきた
そろそろ痩せるために、なにか運動をしたほうが良いけど、何をしよう?
痩せるという目的のため、サイクリングが候補に上がることは多いです。
一方で、このような悩みも出てくると思います。
- サイクリングは効率よく痩せられる?
- 運動不足の自分でも、無理なくできる?
- スポーツバイクだと初期投資が大きいけど、ちゃんと続けられるかな?
そんな悩みに対して、お答えします。
- 記事の内容
- 他の運動と比較したサイクリングの消費カロリー
- 体への負担について
- サイクリングが継続できる理由
本記事の筆者は、ロードバイクを趣味で6年間続けている、理学療法士です。
運動を継続するコツと、サイクリングが体に与える影響について熟知しています。
痩せるために楽な方法を選ぼうとせず、運動をしようと決意した方の助けになる記事になっていますので、ぜひご覧になってください。
理由①:消費カロリーがめちゃくちゃ多い

ダイエットを考える上で、欠かすことが出来ないのが消費カロリーの管理。
そもそも消費カロリーとは、どのように計算されているのでしょう?
消費カロリーの計算式
消費カロリーの計算は、どの種目でも以下の式に、当てはめることで算出できます。
エネルギー消費量(kcal):強度(METs) × 時間(h) × 体重(kg) × 1.05
出典:国立健康・栄養研究所 改訂版『身体活動のMETs表』
体重と時間は簡単にわかるので、運動の強度を表すMETsを知ることが、エネルギー消費量を考える上で大切ですね。
「METs」
活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位。
座っているときが1METs、普通歩行が3METsに相当します。
厚生労働省:標準的な検診・保健指導の在り方に関する検討会第3回資料
要するにMETsとは、運動強度を数値化したものです。
例えば、体重60kgの人が、散歩で1時間歩いたときの計算はこうなります。
『3(METs)×60(kg)×1(h)×1.05 = 189kcal』
これでMETsがわかれば、消費カロリーが、計算できるようになりましたね。
では運動項目ごとに、運動強度を確認してみましょう。
運動項目別の消費カロリー
運動強度は同じウォーキング、ランニングであっても、強度ごとに細かく、METsの数値が分けられています。
その数は凄まじいので、全て目を通すのは気が遠くなります。。。
ということで、数ある運動のなかでも、ダイエットのための運動として、候補に上がりやすい5つの競技を抜粋しました。
さらに、運動初心者ができるレベルの強度で、METsの数値を見てみましょう。
運動項目 | 負荷 | METs |
---|---|---|
ウォーキング | 平らで固い地面で約5km/時 | 3.5 |
ランニング | 8.0km/時 | 8.3 |
サイクリング | 19.3~22.4km/時 | 8.0 |
スイミング | 平泳ぎ(レクリエーション) | 5.3 |
筋トレ | やや疲れる腕立て・腹筋等 | 3.8 |
5つの運動項目を見比べると、ランニングとサイクリングが、頭一つ抜けたMETs値であることがわかります。
また、有酸素運動との比較で、腕立て伏せや腹筋などの筋トレのMETs値も示しました。
短時間で体に疲労感を覚える筋トレですが、消費カロリーの観点からすると、意外と強度は高くないと言えます。
これがダイエットには、無酸素運動より有酸素運動が、良いと言われる理由です。
運動強度(METs)の高さと、長時間続けられる運動である有酸素運動が、消費カロリーが高くなる傾向にあるからなんですね。
実際の消費カロリーの記録
では、実際にサイクリングをしたときの、消費カロリーを見てみましょう。
僕はサイクリングのとき、サイクルコンピューター(以下:サイコン)を使って、走りを記録しています。
そこに体重も登録しているので、走った平均速度と時間から、消費カロリーを算出されるのです。
※サイコンには体重60kgで登録しています。

ちょうど1時間走ったときの記録では、消費カロリーは816kcalと算出されました。
ウィダーインゼリー4個分以上のカロリーを、1時間で消費したと考えると、相当な消費効率であると言えますね。

一方こちらはローラーではなく、実際に外を走ったときの記録です。
約1時間半で1000kcalを消費しています!
ちなみに、ウォーキングで1000kcalを消費するには、ほどほどの速さ(5.0km/時)で4.5時間かかるそう。。。
(計算式 1000kcal/60kg×3.5METs×1.05=約4.5)
理由②:膝(体)への負担が少ない

ダイエットは続けることが何より大切で、何より難しい。
実際に始めてみる運動が、好きかどうかも、大切な指標のひとつです。
一方で、運動が続かない理由に、体を壊してしまうことも考えられます。
ダイエットを決断する人は、それなりに体重があるはず。
仮にダイエット目的で、ランニングを始めた場合には、膝にかかるストレスの大きさは、頭に入れておく方が良いと思います。
ランニングに不慣れで、体全体に負担を分散させる走り方が、出来ていないケースがほとんどです。
そのようなランニングでは、特に膝へのストレスが大きくなります。
ランニングで膝にかかるストレス
2本足で直立しているとき、片方の膝には、単純計算でも体重の半分の負荷がかかっていると、想像できます。
同じ考え方で、1本足立ちになったときには、体重分の負荷が膝には加わりますね。
では、歩いているときや走っているときも、1本足で体重を支えるのは同じだから、体重と同じだけの負荷になるのでしょうか?
もちろん、そんな単純な話ではありません。
歩いているときには、その速度に比例した衝撃を吸収しながら、人は体を支えています。
その負担の大きさは、歩いているときで、体重の2~3倍であると言われます。
さらにランニングでは6~8倍!!
(走る速度に左右されるので、あくまで参考値です。)
体重80kgの人であれば、ランニングの1歩1歩で膝に600kg分もの負担がかかっています。
一方のサイクリングでは、漕ぎ方に左右されるところは大きいですが、ランニングほどの負荷は膝にかかりません。
それにはスポーツバイク特有の、ギア数の多さが関わってきます。
軽いギアでペダルを速く回すように漕げば、体重をそれほど使わずに、膝の曲げ伸ばしの運動で進むことができるのです。
つまり、体重の重さによる負担の増加をある程度ごまかせるのです!
膝を速く曲げ伸ばしすることによって、体重が乗ることによって起こる傷害とは、別の症状が出る場合もあります。
(腸脛靭帯炎、そのほか膝のお皿周りの炎症など)
とはいえ、その症状は体重の重い・軽いに左右される要素が少ないので、サイクリングをする上での最低限のリスクとも言えるでしょう。
理由③: 始めたら継続しやすい

ダイエットで最重要とも言える、消費カロリーの多さ。
同じぐらいにカロリーの消費効率がいいランニングよりも、体への負担が少ないことを利点として上げてきました。
ここからはダイエットの最大の壁、「継続すること」に対する回答を示していきます。
爽快感がある
ランニングよりも大きな爽快感がある。これが最大の楽しみだと思います。
人力最速の乗り物であるロードバイクを始め、自転車はエンジンが付いていないのに、めちゃくちゃ速く走れます。
行動範囲が広がることで、走るルートの選択肢も増えて、新しいルートを開発するのも楽しみのひとつです。
また、サイクリング仲間が仰っていた言葉が、そのとおりだと感じたので共有させてもらいます。
ロードバイクってすごく丁度いい速さで走れる。 ランニングだと行動範囲が狭い。 でも車やバイクだと速すぎて、見逃してしまうような景色にも、ロードバイクの速度なら目を向けられる。 走ってる爽快感も、もちろんすごいんだけど、景色を楽しめるのも大きな魅力だよね。
もちろん、自分の体だけがエンジンなので、体力的に辛いこともあります。
それでも、走っている最中の爽快感と、景色を楽しむ魅力は、一度味わうと病みつきです。
初期投資している
サイクリングを始めるには、そこそこの初期投資が必要です。(ママチャリで走る場合を除く)
そして、その投資先である自転車は、一般的な金銭感覚をお持ちである人にとっては、驚くほど高額です。
ロードバイクやクロスバイクを販売しているメーカーは数10社以上あります。
各メーカーで価格競争をしているとはいえ、ロードバイクを購入しようと思ったら、10万円は見積もっておくべきでしょう。
ランニングを1から始めようとしたとき、どんなに靴とウェアにこだわっても、5万円もかからないと思います。
この初期投資の大きさが、サイクリングを始める難しさでもあり、1度始めたら辞めづらいというメリットととも考えられるのです。
そして、本当にお気に入りの機材を買っておけば、眺めているだけでワクワクするので、どんどんモチベーションが上がってしまいます。
まとめ

ダイエットをすることを決意し、どの運動で痩せようかと悩んでいる人に向けて、サイクリングが有効であることを述べてきました。
記事の内容は以下の通りでした。
- 運動強度の観点から、ランニングとサイクリングがカロリーの消費効率が良い
- サイクリングの方が膝への負担が少なく、怪我をするリスクが小さい
- サイクリングは初期投資が大きく、始めたらやめられない(継続しやすい)
きつい運動が定期的に続けられているならば、誰もダイエットの方法なんかで悩むことはないでしょう。
サイクリングには、楽しみながら、しかも効率よくカロリーを消費できるポテンシャルがあります。
一度始めてしまうと、どんどんロードバイク沼にハマってしまって、気づけば体重を増やしたくても増やせない様になっているかもしれませんよ!?
今回の記事を参考に、ダイエットを目的にサイクリングを始めてくれる人が1人でもいれば、嬉しく思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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