【実体験】ロードバイクと原付の接触事故~物損の保険金が決まるまで~

ロードバイクは最大限安全運転を心がけていても、不運な事故に巻き込まれることがあります。

僕自身が体験した、ロードバイクの物損に対して保険金が出るまでの流れについて解説。

この記事でわかること
  • ロードバイクは物損で補償されるのか
  • 賠償金が決まるまでの流れ
  • 賠償金額が決まる要因

ロードバイクで事故の被害者になり、車体の修理費のことで不安を抱えているサイクリストの助けになればと思い、記してきます。

目次

事故の状況と受けた損傷

まず前提を揃えるために、僕が事故をしたときに受けた、ロードバイクの損傷をお話します。

事故の状況によって加害者・被害者が決まり、過失割合も変わってきますので。

 

事故の発生状況

ダウンヒルで原付きバイクと接触して、はずみで左側に転倒。身体とロードバイクは左側にダメージを受けました。

事故現場は左カーブのダウンヒル

左カーブに差し掛かったところで、出会い頭に正面衝突。
お互いにカーブの内側を走っていました。

2車線道路ではありませんが、こちらは道路の左側、相手は右側を走行していることになります。

 

当たった勢いで僕は左側の溝にひっくり返って、はまり込みました。

受けた損傷

身体とロードバイクは左側にダメージが集中。

ロードバイクの目立った損傷箇所は以下の6つ。

  1. ハンドル
  2. STIレバー
  3. バーテープ
  4. フロントフォーク
  5. リアディレーラーハンガー
  6. ビンディングペダル

 

事故直後、ホイールを回転させてどこにも干渉しないこと、ブレーキが問題なく効くことをチェック。

自転車が走るのには問題がなかったので、自走で帰れました。

保険会社との示談交渉の流れ

相手方は自動車保険に加入してました。後日、保険会社から電話がかかってきて、これからの処理の流れを説明を受けます。

僕のケースでは自走で帰宅できました。

でも、しっかりとロードバイクの状態を確認すると、各所に損傷が見つかりました。

示談の焦点は「ロードバイクに対する賠償」「身体のケガに対する賠償」の2つです。

この記事では、前者の示談交渉の流れを詳しく見ていきましょう。

(※細かい部分は保険会社によって違うかもしれない。参考までに)

 

損害を受けた物品の確認

保険会社から連絡がきました。

専門の業者がロードバイクの状態を確認しに行きます

どうやら自転車の損害を確認するのは、提携の業者に委託しているようです。

 

その後、業者から電話があり、日時を合わせました。

住所を伝えたら自宅まで来てもらえるので、こちらから出向く必要はなかったです。

 

ロードバイクに精通した業者が来訪

さっそく、来てくれた業者さんに事故状況を説明。

車体の左側に傷が集中していると伝えて、隅々まで傷がないか確認してくれます。

大切なのが、事故の時に身につけていたものは全部提出すること。少しの傷でも、一部補償される可能性があります。
(これは行きつけのプロショップの店長にも口酸っぱく言われました)

業者さん自身もロードバイクが趣味のようで、情報収集がとてもスムーズでした。

各種パーツの値段を聞いても、「あぁ大体それぐらいだよね」と納得してくれるので、こちらも話しやすかったです。

ちなみにブレーキは大切だと思ってアルテグラに付け変えています。
エントリーモデルのアルミロードの中、明らかに浮いていたので、驚かれました。

 

装備品も損傷を確認

ウェアやヘルメットなど、当時の装備品も傷をチェックしてくれます。

今回のケースでは、ヘルメットとビンディングシューズが全損です。

右のつま先が陥没

ビンディングシューズの硬いつま先が、大きく凹みました。

打ちどころが悪ければ、自分の足がやられていたかもしれません。

左側頭部に傷あり

凹んでもない、ちょっした擦り傷にも見えますよね。

しかし製品の特性上、このようなほんの少しのダメージで全損扱いです。

ヘルメットは一度でも強い衝撃が加わると、中の緩衝材が機能しなくなり、次に転倒したとき、まともに頭蓋骨にダメージを受けます。

転倒や落下させたとき、目立った傷がなくても、命を守るためにヘルメットは交換しましょう。

ロードバイクについて聞かれた内容

事故をしたロードバイクと装備品の価値を計算するため、以下のことを聞かれました。

  • 完成車と交換しているパーツ、装備品の購入金額
  • 上記を購入した時期
  • ロードバイクの保管状況

大雑把で構わないので、事前に情報を整理しておくといいですよ。

レシートを提示するようには言われませんでした。

メーカーとグレードで、大体の値段はあとからでも調査できますしね。

 

プロショップで修理費を出してもらう

ロードバイク修理の見積もりについては、プロショップに一任されます。

業者の仕事は装備品の見積り。
ロードバイク本体のチェックは、プロショップの見積りが実際とかけ離れていないか、確認するためのようです。

なお、自転車屋さんであれば、どこでも修理の見積もりを出してくれますよ。

 

 

最も気がかりだった、フロントフォークの傷を真っ先に確認してもらいます。

コンコンと手で叩き、すぐに「全然大丈夫そうですね。まだフレームは使えますよ」といっていただきました。

フレームデザインはお気に入りで、変えたくなかったので一安心

 

見積り書を提出

数日後、メールで見積りのデータを送ってくださいました。

データを印刷して、紙面で業者に送付。

ショップの店員さんからは、

見積書から色々と減額されて、この金額は出ないと思う

 

そのように前もって告げられていました。

賠償金の決定

出すものを出したので、いよいよ賠償金が決定されます。

この金額によって修理の方針が決まるので、連絡があるまでソワソワしていました。

 

まず業者さんから、金額が伝えられます。
後日、JA共済の担当からも確認の電話をいただきました。

あとは示談の誓約書を提出すれば、賠償金の振込がされます。

 

ここまでのまとめ

被害者が物損の賠償金を受けるまでに、やるべきことをまとめておきます。

  1. 事前に各種パーツ、装備品の購入時期と購入額をおさらしておく
  2. 来てくれた業者へ、事故のとき身につけていたものを全て見せる
  3. ショップへ連絡。自転車を持参して、修理の見積りを出してもらう
  4. もらった見積書を業者に送る
  5. 業者と保険会社と金額を確認
  6. 書類を提出

賠償金を決める要因

ロードバイクの損傷に対する保険金が決まるまでの流れ、ご理解いただけましたか?

ショップに出してもらった修理の見積り、そのまま支払われませんでしたね。

では一体何によって、最終的な値段が決まったのでしょうか?

実は、ロードバイクの物損の損害賠償が決まる要因は3つあります。

①装備品一式の値段

まず、車両保険については、新品としての購入額以上のお金が出ることはありません。

事故が起こったとき、ロードバイクについている装備品の値段が上限になります。

 

値段算出の例
20万円の完成車を購入

20万円のロードバイクを買ったので、この時点での価値は20万円です。

しかし、ロードバイクは完成車にもペダルが付いてないので、走るために購入しました。

2万円のビンディングペダルを取り付け

20万円の完成車に2万円のペダルで22万円の車体価格になります。

8万円のホイールに付け替え

22万円の車体価格に8万円のホイールを付けるので、30万円に変わりました。

車体20万+ペダル2万+ホイール8万=30万円

これがロードバイクに対する賠償金の最大料金です

 

②減価償却

自転車の現在の価値は、減価償却を用いて決められます。

これは会計学の考え方です。
購入からの時間経過に比例して、資産の価値を減らしていきます。

要するに、購入から長期が経過していると、減価償却によるマイナスが大きく適応され、思ってるよりも安い金額が提示されてしまうのです。

 

国税庁によると、「車両運搬具」にあたる自転車は、2年をかけて減価償却されます。

いわば、新品から2年が経過したロードバイクは、価値が0円だと判断されます。

③事故の過失割合

保険金を決める上で、最後に差し引かれるのが被害者側の過失割合分です。

自転車とは言え、こちらも走行中の事故です。相手に全責任があるわけではありません。

今回のケースは9:1で処理されました。

したがって、減価償却された全損の見積り費用から、さらに1割が差し引かれ、最終的な金額が出ます。

 

もし交差点で信号や一時停止無視の事故被害であれば、過失割合はもっと重くなります。そうなれば物損に対する賠償金もかなり少額になるでしょう。愛車が傷ついた上、補償もされかければ無くに泣けません。交通ルールはしっかり守って走ろうと痛感しました。

 

 

自分の加入する保険は?

都道府県によっては、自転車保険に加入することが義務化されています。

僕が加入していたのはau損保の自転車保険。はたして、車両の損傷に対しての補償はされたのでしょうか?

au損保の場合

結論、au損保のブロンズコースでは車両の補償は一切ありませんでした。。。

au損保HPより引用

まあこちらが加害者になった時のために入っているので、これについて後悔はありませんが。

ちなみに入院費は支払われますが、通院費は補償されません。au損保からは本当に、1円もいただくことはなかったです。

まとめ

加害者が加入している保険に、自転車も対象となる車両保険が含まれていれば、しっかりと見積もりを取った上で賠償金が支払われます。

なお、それはロードバイク本体に限らず、ヘルメットやシューズなどの装備品も同様です。

 

走行中の事故である以上、10:0で事故が処理されることはなく、多少なり損はします。

なによりロードバイクは死亡事故につながるケースもありますので、安全運転に気をつけて楽しみましょう。

事故を起こさないための知識として、こちらの記事のぜひご覧になってください。

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この記事を書いた人

整形外科クリニックで働く、7年目の理学療法士です。日本の健康寿命を延ばせないかと模索するなか、趣味のロードバイクが一助になると思い立ち、情報発信のためにブログを開設。
ロードバイクと健康関連全般について発信していますので、ぜひ読んでいってください。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 初めまして。Twitterから来ました。私も足首を骨折して安静中です。足首動かないのでどーなるか分からないのですが、Tすけさんを見習ってリハビリ頑張ろうと思います。
    どうぞお大事になさってください。
    そしてご安全に…。

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